歴史
新幹線を国の計画に
全国新幹線鉄道整備法ができた。どの新幹線をどう造るかを、国が計画として決める仕組み。
東京–大阪を結ぶと決まる
基本計画。起点を東京都、終点を大阪市とし、長野市附近と富山市附近を通ることが示された。7月3日に公示。
経由地に小浜が加わる
整備計画で、通る場所が「長野市附近、富山市附近、小浜市附近」になった。敦賀から先を小浜へ向ける考え方は、この時点ですでに書かれている。
着工を凍結
国鉄の経営が悪化し、政府が整備新幹線の着工を見合わせると決めた。ここから10年近く動かない。
鉄道が民営化される
日本国有鉄道が、地域ごとの旅客6社と貨物1社などに分かれ、民間の会社になった。返しきれない借金を抱えた経営を、営利企業の形にして立て直すため。新幹線を誰が造り誰が持つかも、この後に決め直される。
工事の順番が決まる
政府・与党申し合わせ。高崎–軽井沢がフル規格で第1位。軽井沢–長野は1998年冬季五輪の開催地決定を待って結論、とされた。
だれが造り、だれが払うかが決まる
造るのは日本鉄道建設公団。費用は国・地方・JR が分けて負担し、できた線路や駅は JR へ有償で貸し付ける、という形になった。
工事開始 高崎–軽井沢
工事開始 軽井沢–長野
工事開始 西石動–金沢
金沢側。長野–上越をフル規格で造ると決まる1998年3月より6年早い。
在来線廃止 信越本線 横川–軽井沢
11.2kmで553mを登り、最急勾配66.7‰。国鉄・JRで最も急な坂だった。1893年の開業から104年。
開業 高崎–長野
整備新幹線として初めての開業。同時に軽井沢–篠ノ井がしなの鉄道へ移った。新幹線と並んで走る在来線を JR から切り離す「並行在来線の経営分離」の、これが最初の例になる。
長野オリンピック
フル規格に決定 長野–上越
ここから先は、在来線の線路を活かして一部だけ新線にする「スーパー特急方式」でも検討されていた。新幹線専用の線路をまるごと造る「フル規格」に決まったのが、この認可にあたる。
工事開始 飯山トンネル
長野–金沢の工事。この区間で最も長いトンネルになる。
事故 飯山トンネルで陥没
上倉工区、坑口から3,067m地点で崩落。地表が直径190m・深さ30m・約30,000m³にわたって陥没し、作業員3名が負傷した。
貫通 飯山トンネル
延長22,251m。北陸新幹線で最長。貫通は掘る作業が反対側へ届いたということで、内壁や線路はこの先に残っている。
工事開始 金沢–敦賀
長野–金沢がまだ工事中のうちに、その先の区間が動き出している。
走行試験開始 長野–金沢
土木構造物・軌道・電車線・信号設備の機能を確かめる試験。8月5日からはW7系も走った。10月31日にすべて終わり、そこから開業までの4か月半はJR側の準備にあてられている。
開業 長野–金沢
かがやき・はくたか・つるぎの運転が始まる。並んで走る在来線は4社に分かれて引き継がれた。
小浜・京都ルートに決定
敦賀から新大阪までの経路。与党の整備新幹線プロジェクトチームが、12月14日の中間報告を経て正式に決めた。
設計変更 敦賀駅の乗り換え場所
新幹線と在来線を乗り換える線路を1階へ置くと決まり、土木工事の着手が約1年遅れた。
不具合 加賀トンネルで盤ぶくれ
トンネルの床が下から押し上げられて盛り上がり、ひび割れた。対策に10か月超を要し、金沢–敦賀の開業が1年遅れる主因のひとつになる。
貫通 新北陸トンネル
延長19,760m。金沢–敦賀で最長で、北陸新幹線では飯山トンネルに次ぐ。2014年6月の着工から6年。
工期が遅れる 金沢–敦賀
国土交通省が与党の整備新幹線プロジェクトチームに、開業が1年半ほど遅れ、事業費が約2,880億円増える見通しを示した。これを受けて検証委員会が置かれ、遅れに至った経緯が調べられる。
計画を変更 金沢–敦賀
国土交通大臣が工事実施計画の変更を認可。完成は1年遅れて2023年度末、事業費は2,658億円増えて1兆6,779億円になった。報告の1年半から1年へ縮めた形で決着している。
走行試験開始 金沢–敦賀
検測車East-iが初めて入線し、26日からはW7系。9月22日から12月8日まで、実車を使った総合監査・検査が続いた。
訓練運転開始 金沢–敦賀
JR西日本が乗務員を慣らすために行う試運転。開業前日の3月15日まで続いた。
能登半島地震
高架橋の排水樋の破損や高架下の舗装のひび割れなど、一部施設に軽微な被害が出たが、3月16日の開業予定には影響しないことが確認された。
工事完了 金沢–敦賀
2023年12月20日から26日にかけて国土交通省が完成検査を行い、この日JR西日本へ合格書が交付された。造る作業はここで終わり、開業まではさらに7週間ある。
開業 金沢–敦賀
福井県内の在来線はハピラインふくいへ。IRいしかわ鉄道も大聖寺まで延びた。
計画を変更 敦賀–新大阪
2016年に決まった小浜・京都ルートを、再編された与党の整備新幹線プロジェクトチームが検討し直すことになった。2026年度の予算にも本格着工の費用は計上されていない。
小浜・京都ルートに再決定
8案を比べ直したうえで、与党整備委員会がふたたび同じルートで合意した。京都市内の新駅は、京都駅の西約5kmにあるJR桂川駅付近の地下に置く。ただし着工が決まったわけではなく、京都府・京都市の同意はまだ得られていない。
出典
- JRTT 鉄道・運輸機構「北陸新幹線(高崎・長野間)」
- JRTT 鉄道・運輸機構「北陸新幹線(長野・金沢間)」
- JRTT 鉄道・運輸機構「北陸新幹線(金沢・敦賀間)」
- 国土交通省 報道発表「しなの鉄道(株)、えちごトキめき鉄道(株)、あいの風とやま鉄道(株)及びIRいしかわ鉄道(株)申請の第一種鉄道事業許可について」
- Wikipedia「北陸新幹線」
- Wikipedia「整備新幹線」
- Wikipedia「飯山トンネル」
- タビリス「北陸新幹線の工事遅延はなぜ起きたか。国交省の報告書を読みとく」
- JRTT 鉄道・運輸機構「北陸新幹線(金沢・敦賀間)工程・事業費の概況(令和6年1月時点)」
- マイナビニュース「北陸新幹線長野~金沢間の走行試験終了」
- 国土交通省 報道発表「北陸新幹線(金沢・敦賀間)工事実施計画の変更認可について」
- トラベル Watch「北陸新幹線 金沢~敦賀間の最長トンネル「新北陸トンネル」が7月10日に貫通」
- 鉄道コム「「12階相当」の高さを新幹線が発着! 在来線特急も乗り入れる、新幹線敦賀駅の内部を見る」
区間の延長は JRTT が公表している概数です。 工事の遅れに関する検証報告書の内容は報道による要約で、報告書本体には当たれていません。
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